揚げ物で使った残り油 廃油でリサイクル燃料へ

私の夫は10数年ほど前に『廃油を精製しバイオディーゼル燃料を製造して販売する会社』を設立しました。現在でこそ『廃油を利用したリサイクル燃料』はよく耳にしますが、当時は認知度も低く廃油の利用といえば町内会の婦人部などで活動し廃油から石鹸を作ったりする程度のものだったように思います。

もともと『合成洗剤を使わず微生物の力を借りて汚れを分解する』などという環境に優しい洗剤などに力をいれていた夫は徐々に『環境に優しい=資源を無駄にしないリサイクル』という社会活動の変化に着目し、どうせならそれを仕事としてやっていくという強い想いに切り替えていったように思います。当時、私たちの集めた情報では『廃油からバイオディーゼル燃料を製造している会社』はあまり覚えはなく、どこかですでに実践している大手企業もあったのかもしれませんが、中小企業でのこのような職種は少なかったと記憶しています。夫と数人の従業員、初めは理科の実験でもしているかのような感覚で『廃油を何度ろ過するか?』『どれくらいの温度で熱するか?』などと幾度も幾度も繰り返したのを覚えています。

実際のところ私自身は経営にはかかわっておらず、その『理科の実験』からどのような経路で廃油を精製する本格的なプラントを作り上げたのかは目の当たりにはしていませんが、それは本当に並々ならぬ研究と努力だったに違いないと思っています。

それでもやはり新しい何かを展開しようとする時、中小企業の力だけではどうにもならない壁にぶち当たります。先行投資という大きな壁です。

その後、自分のアイディアや実績、将来的な価値などを売り込み、大手企業の力を借りて大きく展開していくことになります。

今では大手スーパーや飲食店の出入口に『廃油回収ボックス』を置き一般市民からの油の回収や油を使用する飲食店へ出向いての回収、学校や老人ホームなどでの回収など何百箇所からの回収で集めた廃油からバイオディーゼル燃料を製造し、ゴミ収集車の燃料や市で行われるイベントの電源元の燃料として利用されるまでとなりました。『小さなことからコツコツと!』そんの言葉を聞きますが、私は1番身近な人からそれを教えられたような気がしています。